ギターを取りに東京に戻ってその日のうちに帰ってきたっていうのがあります。
──ご自身で楽曲を作り始めるようになったのも学生時代からですか?
●斎藤:うーん、母親に聞くと子どものころからオリジナルソングは作ってたみたいで、トイレに行く時も「オシッコいってきましょー」といった感じで。きっとトイレが恐かったんでしょうね。そういう意味では最初から歌が好きだったんだと思います。
──学生時代におこったハプニングや印象に残っている出来事などはありますか?
●斎藤:大学1年生の夏に箱根の旅館で1ヶ月住み込みのバイトをやったんですが、働いているうちにどうしても堪らなくなってしまったんですね。要するにギターを持ってきていなかったのです。それで1日お休みをいただいいて、ギターを取りに東京に戻ってその日のうちに帰ってきたっていうのがあります。なんかからだの一部が無くなっちゃったような感覚に陥るというか。布団もちゃんと敷けないくらいに。
──それは大変でしたね。(笑)
●斎藤:同じ頃(1977年)、同じサークルの先輩バンド、サザンオールスターズがヤマハのバンドコンテストの決勝大会に出るってんで、後輩はみんな紙吹雪を持って中野サンプラザに応援に行ったんですけれど、僕はその時だけ行けなくて、「何してたの?」ってみんなに言われると、「旅館で布団敷いてました。」っていう(笑)
夏休みの宿題ではなかったんですけど、ミニチュアを作った思い出もありますね。
──ちなみに小学校の頃に好きだった図工に関しては何かエピソード等ありますか?
●斎藤:4つ上に兄貴がいて、すごく手先が器用だったんですね。特に絵とかデザインに優れていて憧れていましたね。夏休みの自由工作では川中島の戦いを再現したもので、一方の取手を引くと上杉謙信が刀を振り下ろして、もう一方の取手を引くと武田信玄が軍配を上げるといった結構凝った仕様になったものを作りましたね。まあほとんど親父にやってもらったんですけど(笑)
──お父さんお手伝いのつもりが熱中してしまったのですね。(笑)
●斎藤:あと同じようなことなんですけど、1970年に大阪万博があって、世界中の国の人が参加してパビリオンを建てたんだけど、その変わった形の建物を親父と一緒に作ろうということになって、夏休みの宿題ではなかったんですけど、ミニチュアを作った思い出もありますね。
——ちなみに大阪万博には実際に行かれたのですか?
●斎藤:行きました。中学校1年生の時だったんですけど、興奮しましたね。
ひねくれていて、ユーライアヒープとかマウンテンとかの大主流ではないものを聴いていましたね。
──学生時代に印象に残っているアーティストのライブとか通っていたライブ等ありますか?
●斎藤:1972年に当時の後楽園球場で行なわれたエマーソン・レイク・アンド・パーマーの初来日公演は観ました。ELPが初めてシンセサイザーを日本に持ってきたんですけど、当時のシンセサイザーって畳4畳分くらいの大きさがあるわけですよ。パッチを切り替えながら演奏するんですけど、パッチを切り替えるごとに音が激変してそれにすごくシビれましたね。
当時後楽園球場でライブやるとなるとグランドには人をいれないんですよ。だからグランドの真ん中にあるステージが遠いんですよ。その離れた距離のぶん、ステージ上にいるのが孤高のアーティストといった感じというか、今風にいうと神みたいな感じがして、その手の届かない距離感に興奮しました。
──お話を聞いているとビートルズやクラプトンだけでなくプログレ等色々な音楽を学生時代から聴かれていたのですね。
●斎藤:そうですね。でもあまりジャンルとかで音楽を聴いているというよりは、曲がいいから好きになるというだけで、「そう言われてみるとプログレっていうジャンルなんだー」というくらいで、あとはなんか凄そうだから観ておこうっていうのはありますね。後楽園球場ですもん。
──レッド・ツェッペリンも後楽園球場でしたっけ?
●斎藤:いや、ツェッペリンは武道館ですね。でも僕、ツェッペリンは聴かないようにしておこうと。あまりにも周りがツェッペリンツェッペリンって言ってたんで。(笑) あとディープ・パープルとかも観ないでいましたね。ひねくれていて、ユーライアヒープとかマウンテンとかの大主流ではないものを聴いていましたね。どっちもハードロックなんですけど。でもエマーソンは本当に衝撃でしたね。
斎藤誠
1980年 青山学院在学中より音楽活動スタート。1983年 デビューアルバム「LA-LA-LU」をリリース。以来シンガーソングライターとして、シングル15枚・ベスト盤を含むアルバム13枚をリリース。現在は、サザンオールスターズ・桑田佳祐のサポートギタリストとしても活動。そして、自身で「ネブラスカ」と称した弾き語りライブや、マーティン社とのコラボレーションイベント「Rebirth Tour」に参加するなどライブ活動を精力的にこなす。2017年4月 自身のオリジナル曲を、ギターと歌のみでセルフカバーした「ネブラスカレコード ~It’s a beautiful day~」 をリリース。2018年4月18日、ニューシングル「It’s A Beautiful Day」リリース。
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