「想い出のワンシーン」@楽屋トーク
松室政哉×おおはた雄一

感情移入していたキャラが変わってくるんですね。


●おおはた:今でも映画作りたいとか思っているんですか?

●松室:思っています。開演した時に演奏した「きっと愛は不公平」もMVを僕が監督させてもらって。

●おおはた:あれ監督しているんですか!

●松室:そうなんです。あれはMVですけどいずれは映画も撮りたいと思っています。ただドキュメンタリーは作れないと思います。

●おおはた:小説とかだと、ノンフィクション作家なんてものすごい取材して取材して…。すっごい作業の組み立てが必要で。「エンディングノート」も実の父親を撮っている訳で。自分がカメラを回しているって考えるとなかなかヘビーだし。

●松室:しかも、気丈に振る舞うお父さんが映れば映るほど…僕ら結末がわかっているので余計に…。


●松室:おおはたさんは人がリアルに心情が変化していったりとか。表情を変えていく様みたいなのが映画に求めているものかもしれないですね。

●おおはた:あとは飛行機の自由時間をなんとかやり過ごしてくれる映画とかね。でもだんだんね、例えば「ロッキー」見た後に腕立てするとかそういうの無くなって来ましたね。

●松室:そういう映画に影響されるみたいな。

●おおはた:「ビー・バップ・ハイスクール」を観て喧嘩するとか。

●松室:「仁義なき戦い」を観て広島弁になるとか(笑)

●おおはた:そういのがなくなって来ましたね。

●松室:それはどこかで俯瞰して見ているのかもしれないですね。

●おおはた:だから、本当につまらない大人になったなって…(笑)

●松室:いやいやいや!そういうことじゃないと思いますよ(笑)

●おおはた:特に映画って見ていると、年齢によっても見方が違うから。「ロッキー」も今までロッキーにグッと来たんですけど、今トレーナーのミッキーにグッと来ますね。

●松室:あーなるほど。同じ映画の中でも、感情移入していたキャラが変わってくるんですね。

感情移入していたキャラが変わってくるんですね。


●松室:最後に好きなサウンドトラックについて聞きたいのですが。特に印象に残るものとかってあったりしますか?

●おおはた:ジブリの映画とかはやっぱり音楽が素晴らしいんですよ。意外とずっと音楽が鳴っているでしょ?音楽なっていない時の方が少ないくらいなので。音楽で感情グワーって持っていかれるのがあったりして。でも、サウンドトラックで好きなのは音数が少なくて楽器もすごくシンプルで、ニールヤングがギター一本で弾く「デッドマン」とか。ライ・クーダーが演奏した「パリ、テキサス」とか。やっぱり音楽作品としても好きなものはいいですね。あとは坂本龍一さんが作曲した「トニー滝谷」とか大好きで。

●松室:いいですね。

●おおはた:「トニー滝谷」は信じられないくらい音数が少ないんですよ。ピンッ…(5秒沈黙)テレー!みたいなね。

●松室:(笑) でも、それが映像の中で流れるとそれしかないんですよね!それこそまさにサウンドトラックで、その映像のために作られたみたいなところはありますよね。


●松室:今回、流さなかったんですけど「シング・ストリート」っていう映画があって。去年一昨年で僕のNo.1映画だったんですけど。そのサントラって、80年代っぽい曲を少年たちがオリジナルで作曲した程で。それが抜群にいいんですよ!ほどよく下手なんですよ。あの下手さどうやって出しているんだろうって思って。曲も良くて、80年代のイギリスっていうのをテーマをやっているこのサウンドトラックっていうのが久々によかったですね。

●おおはた:でも、サントラってそう考えるといいよね。ギターのサウンドだけでも浮かびますもんね。

●松室:そういう意味では、音楽は映画の結構な割合を占めていると思いますね。

●おおはた:よく夜中テレビでやっている深海とか海の生物たち戦いみたいなのもすごいオーケストラだよね。大袈裟だなって思うくらい。

●松室:確かに(笑) 音楽ってシーンによっても印象がかわるから、あえて殺人シーンの時に滑稽な音楽を流したりしたら妙に怖くなったりするんですよね。

●おおはた:「グッドモーニング,ベトナム」の戦争のシーンとかは結構…こういういい話が本番にできたらよかったね!!

●松室:これも書き起こされますから!(笑)

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